マンションのお正月花2018(その3)
大きなお正月花をいけた残りの花材で、ちょこちょこといける花。この「ちょこちょこと」が結構楽しい。場当たり的だけれど、それは一期一会でもあって、偶然の喜びがある。
小品はコッテリ系より、あっさりしているのが好み。お正月の華やぎには欠けているけれど、日頃の忙しさを忘れて、静かな時間が流れている。
(写真/大仲宏忠)
大きなお正月花をいけた残りの花材で、ちょこちょこといける花。この「ちょこちょこと」が結構楽しい。場当たり的だけれど、それは一期一会でもあって、偶然の喜びがある。
小品はコッテリ系より、あっさりしているのが好み。お正月の華やぎには欠けているけれど、日頃の忙しさを忘れて、静かな時間が流れている。
(写真/大仲宏忠)
恒例のマンションお正月花の2つのうち、1つは既成概念にとらわれず私の世界観で展開。おかげさまで「アーティストがいて嬉しい」とか「毎年楽しみにしている」等、好評だ。意識高い系な方々ばかり、というか心の広い人たちで本当にありがたい。
今回は赤と緑の対比を。また、今回はお手伝いしてくださる方々に、もっといけばなを実感していただこうと、竹の花器にそれぞれいけていただいた。どんどんいける人、奥さんを呼んで来る人、見学を決め込む人等、いろいろだ。私も万年青を、ここはお流儀風にいけた。
竹は、駅の向こう側にあるTさんの竹林から切って運んだ。何年も前に散歩中に竹林を見つけて、側で畑仕事をするお年寄りに声をかけ、その後、竹を切らせていただいたことがある。そこのお宅に久しぶりに伺ったのである。すると娘さんが出てこられ「おじいちゃんは亡くなりましたが、東さんが来たら好きに切って行ってもらうように、と言ってましたので」と。ジーンとしながら、切らせてもらった。
(写真/大仲宏忠)
マンションのお正月花2018(その3)も見てくださいね。
ここ数年、マンションの管理組合から依頼されてエントランスのお正月花をいけさせていただいている。住民有志が何人もお手伝いに出てくださり、大きないけばなを2つ、皆でいけるのだ。
どんないけばなにするか、花材、花器もすべて私が決めて、お手伝いの皆さんは一切口出ししないことになっている。私のいけかたに「もっとこうしたら?」と思われることもあろうが、いつもぐっと約束を守って動いてくださっている。
毎年やっているから皆さんとても手馴れている。それで、一昨年の「横浜開港アンデパンダン展」での作品制作では、私のアシスタントとしてお二人ばかりヘッドハンティングしてしまった。
皆の力の結集だから、マンションの皆の作品でもあろう。こちらの花はオーソドックスな装花。いつも3週間近く飾るので、持ちの良い花を入れることにしている。
(写真/大仲宏忠)
マンションのお正月花2018(その2)も見てくださいね。
以前からこのHPを作り替える計画があって、つい更新する気持ちが薄れ、ご無沙汰してしまっていました。
今日は久しぶりに、お家でお花をいけるときに「こんなのはどう?」というご提案です。
突然ですが、うっかり食器などを割ってしまったことはありませんか? とくに普段使いのものはつい手元が、なんてことが、私はたま〜にあるのですが。それで、捨てるしかないなあと思ったとき、こんなことをして遊んでいます。
(写真をクリックすると大きくなります。)
家にあったものをいけるというか置いてみるというか、いけばな感覚でやってみました。お花や花瓶を買いに行かなくても、こんないけばな(?)が簡単にできちゃいます。家にあるものだけでいけてみる、という縛りがあるのも、結構面白いものです。
さて、ただいま私がしつこく展開中の「フラスコ花」シリーズで使っているナスフラスコは、割れにくいパイレックス製なのですが、実はいくつか割ってしまったのです。ううう。。。
でも、私は転んでもただでは起きない、割れてもただでは捨てませんよ。割れたときにふとひらめいてしまったのです! 割れたフラスコも一緒にして、そこからは花が飛び出しているのも良いな、なんて。いずれやってみたいと思っています。
その前に、まずは割れたフラスコにいけてみました。いかがでしょうか?
「ペットボトルに花をいけたなら」で、メールをご披露させていただいたNさんから先日、コラボ第二弾メールを写真付きでいただきました。
「父がまたデイケアの花あそびで作ったお花を持ってきましたので、ペットボトル隠しにCDジャケットを使ってみました。本人も喜んでいました。なかなか応用できて楽しいです。」
素敵です! お父様がお花をいけ、NさんがCDジャケットを選んでと、父子コラボになっているところがまた良いな〜。
デイケアでは小物を作ったりして家に持って帰ることも多いと思います。その小物が家で喜ばれたら、誰だって嬉しいです。お花もいけて楽しかった、だけに終わらず、お家でも素敵に飾れたら、いけた人も嬉しいし、家族皆が嬉しいし、お客様も嬉しいし、お花も嬉しいし、花農家さんだって嬉しいと思います。
それにしてもCDジャケット、ナイスアイデアではないですか!! 思いつかなかったわ〜。CDジャケットは立ちやすいし、気分次第でいろいろ変えられて楽しそう。このアイデア、皆でいただいちゃいましょう!
CDジャケットの二枚使いとか、角度を変化させるとか、いろいろバリエーションもありそうですね。私もイメージわいてきました。Nさん父子に負けないよう、逆発想でいってみようかな? CDジャケットを選んで、そこからイメージするお花をいけてみるのです。面白そうでしょう?
NさんとNさんのお父様、ありがとうございました。ちゃっかり載せさせていただきます。
明日はバレンタインデーですね。
バレンタインデーって、冬で良かったと思いません? 寒いと温もりが恋しいですもの。
というわけでかどうかは最後までご覧頂き判断していただくとして、本日は手袋に花を生けるという試みです。
【用意するもの】
・手袋片方
・針金(太め)
・ラップ
・輪ゴム
・もちろん花を一輪
【早速やってみましょう】
手袋を置き、指の形に針金を曲げていきます。針金の先が手袋を突かないように注意。手袋に花がもたれかかるようにするので、花が重たそうなら針金を何重にも曲げます。
指の形にした針金をそれぞれの指に入れたら、針金を長めに切ってぐるぐるに巻き、平らにして、手袋を立たせます。
立ちました。ここでつい、お釈迦様の手などいろいろ作って遊んでしまう恐れアリ。先を急ぎましょう。
ラップを二重にして水を溜め、花の切り口を入れたら輪ゴムで縛ります。ラップは大きめにして縛ること。輪ゴムまで届いていない部分があると、そこから水漏れしてしまいます。
不要な部分のラップをカットしてから周りの水をよーく拭き取り、輪ゴムから茎にかけてセロテープでぐるぐると巻いておきます。
手袋に花を預けて出来上がり。後ろがどうなっているかわかるように、鏡の前に置いてみました。
手の膨らみを出すために、ティッシュなどを詰めても。ただ、あまりリアルに作りすぎると、自分で作っておきながら後でビビったりします。
手袋は高価なものはやめておいたほうが無難でしょう。また、水入れにラップを使いましたが、試供品でもらう1回分のシャンプー、あの袋のほうが漏れなくて良さそうですよね。
さて、手袋にいけてしまったアナタは、バレンタインデーの日に手袋がありません。
冷たい手で彼にプレゼントを渡すと、彼はアナタの手を握ったまま自分のポケットに手を突っ込みました。そう、アナタの手も一緒に。
そして一か月後、もう片方の手袋に彼がそっと指輪を。。。
なんて話が本当にあったら、ぜひ、ご連絡ください。
先日、こんな嬉しいメールを頂戴しました。
「父がデイケアの『菊の節句の行事』とのことで、生け花(というほど大げさなものでもなくて、『花遊び』と呼んでいます。時々あります)をして来ました。ペットボトルを切った花瓶に例の深緑の保水体を入れて、小菊や龍の髭のようなものを気ままに差したもので、そのままではいかにも低予算という感じですが、あなたのHPに出ていたように本を立てて見せたら、大家の作品のようだと言って喜んでおりました。」
デイケアや幼稚園、小学校でのお花体験では、予算の関係等でペットボトルを使うことが多いと思います。あえてペットボトルをむき出しに使うことで作者の意図を表現するお花もありますが、このような場ではおおよその場合違うでしょう。
ペットボトルにいろいろデコレーションしたりして「オリジナル花器」を作れたらまた楽しいですが、そこまでしない、できない場合は、自宅に持ち帰ってから何かとコラボさせてみるというアドバイスが付け加えられても良いかと思います。
メールにあったHPとは、「花束・花瓶がない・飾りたい」の後半にある【花束とコラボさせよう】という部分です。簡単だし、お金もかからないし、何よりぐっとお花が引き立ちます!
「花束をもらったけど、飾る花瓶がなくて。。。」でも、花瓶がなくても飾れまーす。文章だけではわかりにくいので写真を入れようと、お花屋さんで「30代の女性にプレゼントする花束を」と注文して花束を買ったので(自分がもらうならそういうイメージなのが欲しいなと。笑)、これを使って説明します。
【用意するもの】
・厚手のコップ、タンブラー、水筒など
・小鉢など
・詰め物となるハンドタオルなど
・あなたが花とコラボさせたいもの
なんじゃそりゃ?な感じですね。今回、コップ系は350mlのサーモスの水筒を使いました。小鉢とハンドタオルは安定させるためのものです。もっと良さそうものがあればそれを使ってください。
「あなたが花とコラボさせたいもの」。これは重要です。後ほど説明します。
【花束の下準備】
花束のラッピングを開いたら、束ねた輪ゴムを少し上に引き上げて根元をほんの少し開げるようにします。花束はだいたいスパイラルに束ねてあるので、上部をゆったりと広げると根元も広がります。広げるだけで根元の安定感が出ます。
ちなみに、根元を水の中で切り戻せば(ちょっとカットすれば)花の持ちが良くなる場合が多いです。また、葉っぱを少し取ったほうがスッキリするし、葉からの蒸散が防げて水が上がりやすかったりします。(今回はそのままいけています。)
【安定感を持たせる】
小鉢に、水を入れて花を挿す水筒(コップ、タンブラー等)を入れ、動かないように周りにハンドタオル等を詰め込みます。こうすることで下部を安定させます。小鉢なしで花をいけてもひっくり返らないようであれば、やる必要はありません。逆にどうやってもひっくりかえりそうなら、花束を短く切るしかありません。
【これ以上やる気力が出ない人は】
ここまでで「まだ何かやるの?」と思った方は、水を入れ花束を入れたら、花束についていたラッピングをすればまんま花束で飾れます。
【花束とコラボさせよう】
ここでちょっと、花瓶の役割について考えてみましょう。水を入れるもの、花を立てるもの。それだけではありません。花とコラボするものだと、私は思います。
花瓶がなければ、考え方を変えて一つの花瓶にとらわれる必要がないと思いましょう。水を入れ花を立てる役割は、もはや水筒&小鉢が引き受けています。花と、あなたならではの何かをコラボさせて自由に楽しんでください。
まずは、ありがちだけど。。。バッグに入れてみました。ちょっといいかも?
こちらは電気スタンドのカサとのコラボ。意外と普通だなあ。
次は意表をつくよ! なんと国語辞典とのコラボです。あ、これは葉っぱをちょっと取ったのと、ストックの花の丈を3cmほど切っています。
コラボできるものは無限です。あなた次第なのです。花束を崩していけるときも、こんなコラボも楽しいですよ。小さなコップを中に仕込んでいます。(今日も雪だから、履こうと思って出したものなのですけど。それにしてもこれは食卓にはマズイかもね。)
恥ずかしながら、私は片付けベタです。しまうのか、捨てるのか、はたまた何らかのアクションをした後にしまう・捨てるのか、処理方法が定まらない「保留アイテム」がどんどんたまってしまうのです。
そんな私にとって、花を部屋に飾ろうと思い立つときこそ「お沙汰タイム」。収納スペースには限りがあるから、おおよそは「捨てる」裁きを下すのだけど(だったら、とっとと捨てていればいいのにねえ)。花を飾るには花器を置く場だけでなく、その周辺もなんとなーくすっきりしていないことにはサマにならず、必然的に飾る場所周辺を掃除することになります。
花って、空間に与える影響力が強いですよね。片付けて拭き掃除もしたところにポンと置くと、いきなり雰囲気が一変します。で、「やっぱり気持ちいいわぁ」としみじみ思ったりするのです。(なのに、持続できないダメな性格で。はぁ。)
玄関ドアに花を飾るのも、殺風景になりがちな場所が華やいでイイ感じです。ドアフラワーをするようになってから玄関の内側も気になりだし、下駄箱の上が定位置と化していたモノたちもそこにあるべきなのか、見直すきっかけになりました。花を飾ることで、ライトな断捨離ができちゃったかも?
で、ふと「これって風水的にも良いのでは?」と思い、風水に関するサイトなどを見てみると、、、玄関って重要なのですね! 玄関は運気を呼び込む入り口なのだそうです。幸運も玄関から入って来るとのこと。感覚的にわかる気がします。なぜなら、閉じこもっていては何も起きない。良いことは他人と接点があってこそ、何か行動を起こしてこそ生まれる。外界との結界の象徴が、玄関なのだろうと思います。
風水では玄関を掃除するだけでなく、花を飾るのも良いのだそうです。うぉおおお、まさにドアフラワーはぴったりではないですか! なにしろ結界そのものに飾っちゃうんだもの。「幸運さん、いらっしゃ〜い!」です。
ドアフラワーを飾ることで、私自身は、たとえ忙しくてもせめて玄関だけはきれいさをキープしようと思うようになりました。幸運を呼び込む可能性もあるのだから。
さて、そんなこんなの毎日のなか、甥が仕事で東京方面に一泊するというので、だったらウチに泊まってもらおうよという話になりました。彼が我が家に来るのは実に初めてのこと。ドアフラワーが呼び込んでくれたのかな? 彼が来た日はとても楽しい一日になりました。
上の花がそのときのドアフラワー。花屋さんで一束500円で買った「おつとめ品」です。前にも述べましたが、ドアフラワーは短めな花で良いので、鮮度バツグンでなくても結構楽しめます。
ドアフラワーだけではスイートピーが余ってしまったため、玄関を開けたらまた花でお迎えしちゃおうと、正面の壁にも飾ってみました。花器の役目をしているのは試験管と試験管立てで、私が一人暮らしのときに使っていたもの。超久しぶりの登板です。狭いワンルームでも花を飾りたくて「置けないなら、壁にかけちゃえ」という思いから使っていたものです。今回は甥っ子という気楽なお客さんなので、こんな見立ても悪くないでしょう?
さらに2本残ったスイートピーは、リビングにあるワゴンの上に飾りました。リビングもそれなりに片付いたから、とりあえずめでたしめでたし!
それは2か月前のこと。ツイッターで、玄関ドアに花を飾ったらすてきだよね、という話で盛り上がりました。発案者は育種家の竹下大学さん。竹下さんのツイッターに「玄関ドアの外側にちょこっと切花を飾る。マンションやアパートの無機質な廊下に花が咲く光景。この習慣が広がっていく都市文化。なんだかとっても楽しい妄想」と。さらに「部屋の中の切花よりも、ゴミ出しの際にサッと捨て易い感じがするのも良いんじゃないかな。人に見られるから、捨てる踏ん切りもつけやすいだろうし。」と具体的なことまで。これを「ドアフラワー」と命名し、まず私から気軽にやってみよう!と思ったわけでした。
そして満を持して(ウソ)、本日、ドアフラワーのご提案です。今回のチャレンジはβ版ってことで。改良すべき点やもっと違うドアフラワーの形はあると思います。
【今回用意したもの】
・花
・竹串のパッケージ
・両面テープ
・ドアの材質に応じた「ドアフラワー」を取り付けるもの
・場合によって重しとなる小石など
ドアの材質に応じた「ドアフラワー」を取り付けるもの、重しについて。
マグネットが使えるドアならマグネットシートを、吸盤が使えるドアなら吸盤を用意。私のウチの玄関ドアはどちらもくっつきません。そこでドアの裏側上部にフックを逆さまに貼り付け、そこにワイヤーを引っかけて上から渡して引っ掛けました。クリスマスリースなどもその方法で飾っています。
重しは、頭がひっくり返りにくいように使います(花を入れると頭が重くなる)。マグネットの場合は必要ないと思われます。
【では、水壺作成!】
1)竹串のパッケージが水壺になります。四角いのがミソ。ドア接地面が平らな方が都合良いのです。しかし、底に穴が開いているので、底にパッケージの蓋をかぶせることにします。まず両面テープを本体に蓋が完全にくっつくように貼り付けてから、ムリヤリかぶせてくっつけます。
2)本体を適当な長さに切ります。10cmほどが良さそう。
3)マグネットシートでドアに付ける場合は4面とも切って、一つの面にシートを貼り付けたらできあがり。
ワイヤーや吸盤の場合は、一つの面だけ残して切ります。残した面を適当に手前に折り返し両面テープで接着。穴を開けてワイヤーや吸盤を取り付けます。
【花を飾ろう!】
1)適宜、小石などの重しを入れます。
2)水と花を入れます。花は短く入れるので、お部屋に飾ったものを切り戻して(短く切り直して切り口をフレッシュにする)お花を最後まで楽しむのもすてき。
今回は春先取りで小さめのチューリップを入れてみました。大きい葉っぱは入らないよ。
3)ワイヤーで吊るすとぶらぶらするので、水壺裏面に両面テープを付けてドアに固定します。ドアは開けたり閉めたりするし外気にもさらされているので、しっかり固定!
4)できあがり!
水壺部分に小枝や葉っぱなどでデコレーションしても。また、紙粘土を付けて花瓶みたいに作っても良さそう〜。
【水壺別バージョン】
紅茶が入っていた小さなかわいい缶を使ってみると、こんな感じに。漏れが心配なので、中にビニール袋を入れてから水を入れました。程良く花留めの役目もしています。
【ドア近くの動かない面に】
表札近くに貼り付けてもかわいい? こっちのほうが安定感はあるかも。
【ご注意!】
・ドアを傷つけないように工夫してくださいね。
・ドアの開閉や風などにより、ドアフラワーが落ちないように。
・陽が当たる場所では光るものをデコレーションしない(レンズ効果で火事になっちゃう?)。
・花は枯れそうな前に捨てよう。枯れていてはカッコ悪いし、葉が落ちたりして近所迷惑。
・万一何かあっても責任は取れないので、自己責任で楽しんでくださ〜〜い!